2010年06月29日

【おらが湯 藤太湯伝説】(2)

【おらが湯 藤太湯伝説】(2)



「お目にかかった覚はありませんが、あなたは誰なのですか?」





と藤太が尋ねると、お姫様はそばに歩み寄り、





「私をご存じないのはごもっともです。実は私はこの世の人では
なく、先ほど、赤川のほとりの川崎でお目にかかった大蛇なのです」





と言った。





藤太はそうだったのかと思い当たり、





「それではどうしてこのように姿を変えてたずねて来たのですか?」





と聞いた。するとお姫様は、





「どうぞ聞いてください。私は日本の国がひら拓け始めた
遥か昔から、信達(しんたつ)の湖に住んでいるのです。





湖は七度も干上がっては田や畑に変わりましたが、その度毎
にうまく逃れて『大作山』の麓の『子守沢』にたくさんの
子供たちと幸せに過ごして来ました。





ところが、天武天皇(756年)の御代から『摺上川』のほとり
におおむかで大百足が現れ、『吉川』沿いに『片倉山』を
越えて、私の子供たちを食い荒らしに来るようになったのです。





そのため川は、私の子供達の血で赤く染まり『赤川』と
呼ばれるようになりました。





どうにかしてこの悪百足を退治したいと願っておりましたが、
私たちではどうにも力が及びません。





これはやはり器量の優れた方のお力にすがる他無いと思い、
あのように大蛇の姿になってお待ちしておりました」





と涙を流して頼んでくる。藤太は一部始終を黙って聞いていた。





『もし事を仕損じたなら、先祖の名折れ・末代までの恥辱である。
しかし、神々の加護の下、磨鍛えた武術をもって望めば、必ずや
道が開かれる!』





と覚悟を決めた。





「分かりました。今夜にも百足を退治して見せましょう」





と藤太が答えると、お姫様はたいそう喜んで三本の矢を探してきた。





「これは、私たちの血と涙が流れて沢になった『毒沢』で作った
矢です。どうかこの矢であの憎い百足を仕留めてください」





というと、お姫様は煙のように消えてしまった。






【おらが湯 藤太湯伝説(3)】につづく・・・



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