2010年06月30日

【おらが湯 藤太湯伝説】(3)

藤太はすぐさま身支度を整えた。





先祖伝来の大刀を腰に差し、五人張り重藤の大弓を小脇にかかえ、
十五束三伏(153センチ)もある大きな弓を手にして『天王寺沼』
の右手『寺山』に向かった。





夜になり『矢場』に立って『片倉山』を眺めると、稲妻がひらめき、
生臭い風が大作山を吹き渡る。そして、にわかに激しい雨が降り出した。





みるみるうちに『片倉山』の辺りが千本の松明を灯したように明るく
なり、山鳴りの音がごうごうと山を動かし谷を揺さぶる。
天王寺雷様の襲来である。






それでも藤太は少しも騒がず弓に矢をつがえ、百足が近づくのを
待った。百足は『穴原吉川』の断崖をよじ登り大地を揺るがして
迫ってくる。






【おらが湯 藤太湯伝説】(3)


藤太は矢が丁度届く頃とみて、弓を力いっぱい引き絞り、
百足の眉間を目掛け射た。





しかし、矢は難なくはじき返されてしまった。





藤太は第二の矢をつがえ、一心不乱に引き絞ってひょうと
射放った。





だが、この矢も踊り返り百足に突き刺さりはしなかった。





 
藤太は進退窮まって、最後の一本の矢をなおし





「南無八幡大菩薩(なむはちまんだいぼさつ)」





と祈った。





すると、あら不思議!貝がら山の岩場から天狗様が
舞い降りて





「これ藤太!百足の目を狙え!」





と藤太を叱咤した。藤太は、





「神の加護我にあり!」





と弓を引き絞り、ひょうと射た。弓は狙いたがわず
百足の目に突き刺さる。その瞬間、天王寺雷様の
ものすごい音もぴたりと鳴り止んでしまった。





「百足め、息絶えたか?」





と辺りを調べると、百足は『片倉山』から
『ムジナ山』にかけて長々と横たわっていた。






【おらが湯 藤太湯伝説(4)】につづく・・・



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【おらが湯 藤太湯伝説】(3)
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